クリエイターズ・セレクション

UPDATE:2015.12.25

業界著名人がアニメ作品をオススメ!

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TCGとアニメの融合に挑戦『ラクエンロジック』
――まず、原案とシリーズ構成を担当されている最新作『ラクエンロジック』からうかがって行きたいと思います。高橋さんの関わられたきっかけは?
高橋
前の『曇天に笑う』が終わったころに、そのアニメーション制作をやっていた動画工房のプロデューサーからお話をいただきました。まだ下地になる部分を練っている段階で、「アニメ版のシリーズ構成ができる脚本家はいないか」と。僕自身、もともとTCGがものすごく好きでしたから、「TCGと連動するプロジェクト」という点に興味をもちましたし、オリジナルでアニメができるチャンスだったので、「ぜひお願いします」と。タイトル以外はキーワードや世界観も固まっていなかったため、こちらからもいろいろ提案し、最初はアニメだけというつもりでしたが、TCGも含めた原案の立場にさせていただきました。大本の世界観構築からみなさん共同でアイデアを出しつつ、存分にやらせてもらっています。
――今回の「合体」というアイデアは、どんな意図で出てきたのでしょうか。
高橋
アニメだけでなくTCGとしての盛り上がりも「Win-Win」にしたい。それが可能な世界観って、どんなものだろうと。TCGはトータルで何百枚という種類が必要ですからキャラクターの種類、特にビジュアル的なバリエーションが数多く必要となる。そんな必要条件から「合体」を思いつきました。特殊能力をもつ美少女たちが、神々、異形の者、人ならざるものなど、いろんな異世界のパートナーと合体する。この「合体=トランス」という設定によって、コスプレにも通じる変化を楽しめるのではと。
――なるほど、TCGらしさがポイントですね。
高橋
そこはすごく意識しました。ただし、劇中にはカードプレイが登場しません。多くのカードゲームアニメでは、「先攻がこれを出したら後攻はこれで受け、次はこのカードを出す」という将棋の棋譜に相当するプログラムを先につくり、それをストーリーに起こすと聞いています。今回はアニメファンもTCGファンもいっしょに楽しめるようにしたくて、戦い自体はリアルなアクションとして描いています。そして主人公の男の子が美少女たちに囲まれて活躍するアニメとしても、充分に楽しめると思います。
――ゲームとアニメで世界観を共有しながら進む、という感じですか。
高橋
そうですね。TCGの第1弾で展開されるカードのキャラクターには、このアニメの登場人物たちも含まれますが、作品世界の時系列としては、アニメの少し以前の設定になります。続く新弾で、アニメにも深い関わりが出てくる。そんな展開になっていきます。
――相互に影響していくというのは面白そうですね。以前はカードゲームに親しまれていたということですが、その魅力とは?
高橋
TCGは将棋やトランプの大貧民、麻雀と同様に、決して運だけでは決まらないのが面白いところです。ある程度知恵を絞り、技術を磨けば強くなって勝てる。そこが最大の魅力ですね。僕のTCG体験は『マジック:ザ・ギャザリング』が最初ですが、まさに知恵を絞れば強くなれるタイプでした。イラストもカッコ良くてコレクション性があり、今までにないものを感じてしまいましたね。日本のTCGはその後『遊戯王』で発展していきましたが、新しいジャンルとの出会いは当時、ものすごく面白かったです。
――「運と技術」ということですが、今回は「ラックとロジック」というキーワードが「ラクエンロジック」という題名になっています。その論理性に惹かれた感じですか?
高橋
タイトルに関しては、僕が参加する前の企画段階から決まってました。引いたカードで逆転できるか、知恵を絞って勝つか。「運」と「論理」がカードゲームにおける二大要素。そのふたつの要素を合わせたタイトルって面白いなと。そこから触発されていますが、世界観構築でも「ロジック」というキーワードは、とても重要な意味をもっています。
「愛されるキャラクターづくり」をめざして
――そのゲーム性は、どのようにアニメへ反映しているのでしょうか?
高橋
アクション、戦うスリル、スピード感などアニメならではの魅力は当然、重視しています。自分としては、とにかく「愛されるキャラクター」の造形に一番の重きをおいています。ストーリーテリング、つまり大筋や展開よりも、キャラがどう動くか、いかに魅力的に見えるか、そんなキャラクターの魅力を押し出すようにしています。カードも含めた世界観の一部を切り取った形になる。……ということは閉じた世界ではないので、いくらでも拡大していく可能性がみえるストーリー構造にしたくて、そのためにも主体はキャラクターにしています。
――では、この作品ならではのキャラクターの特徴とは?
高橋
主人公は少年ですが、ものすごく美少女が多いアニメで……そういう「美少女アニメ系」の作品に関わったのは初めてです。僕なりに考えたのは、なるべく視聴者に近い悩みを抱えている、等身大のキャラと物語にしたいなということ。誰にでもありそうな発展途上の若者特有の悩みを抱えているキャラクターたちなんです。ビジュアルは充分面白いものになっているし、SF的な世界観もよくできている。ならば、僕は人間を描こうと。そこは強く意識しています。
――作風としては、どんな感じになるのでしょうか?
高橋
いわゆる「鬱展開」をふくんだヒット作もありますが、どちらかといえばコメディです。明るく見られる王道のヒーローファンタジーものを真正面からやろうと。日常の笑えるシーンもふんだんに出てきますし、肩の力を抜いて気楽に観ていただけるのではないかと。群像劇ですから、キャラクターが個別にフィーチャーされる回も用意しています。
――物語上、合体(トランス)は、どんなポイントになってくるのでしょうか?
高橋
これは「人と人ではないもの」のバディものなんです。刑事ものなど普通のバディって、凸凹コンビが対等にぶつかり合いながら絆をつむいでいくというスタイルで、『TIGER & BUNNY』もそうでした。でも今回は、「人間同士ではないバディもの」。そこが面白いポイントだと思います。まだ詳しくは言えませんが、すでに出ている情報以外にも、いろんな意外なバディがストーリーの進行につれて出てくるでしょう。
――人ならざるものというのは、具体的にはどんな設定でしょうか。
高橋
実在する神話の女神たちをベースにしたパートナーです。アニメで描かれるのは、複数用意してある異世界のうちのひとつ「セプトピア」と呼ばれる僕らの地球に相当する人間世界です。そこへ怪物が襲ってきたとき、神々の住んでいる神話世界から女神たちがやってきて協力してくれる。でも、世界ごとに固有のロジックが存在しているから、本来輝かしい姿の神々にも人間界のロジックが適用され、可愛らしい人間の姿に変わる。パワーも存分に発揮できなくなるので、ロジカリストと呼ばれる人間と合体することで、異世界本来の力を人間界で再現して使える。そんな設定です。
――伝説の女神が多いですね。ヴィーナスは美の女神ですし、属性もあり。
高橋
視聴者にとっての入りやすさのために、既存の女神をアレンジしています。でも、完全にアニメオリジナルの神もつくっていますので、全体としては自由です。
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ラクエンロジック
2016年1月9日23:00より
配信開始



TIGER & BUNNY

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曇天に笑う
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