2003年から2年9か月、3つの特撮TVドラマシリーズが放送された。
12人の星座の戦士が超星神と呼ばれる巨大ロボットに搭乗し、宇宙連合の脅威から地球を守る『超星神グランセイザー』。
「勇」「智」「仁」3つの力を秘めた3人のヒーローが、450年の封印から目覚めんとする侵略者カイザーハデスと戦う『幻星神ジャスティライザー』。そして宇宙海賊デスカルに支配された未来の地球を救うため、12個のコスモカプセル争奪戦が展開する『超星艦隊セイザーX』である。シリーズの特徴は、特殊な戦闘用スーツを「装着」して戦う等身大ヒーローのアクションに加えて、巨大な敵怪獣との巨大ロボット戦が展開することだ。
シリーズ1作目は12人という大所帯のヒーローチームが熱い戦いを繰り広げた『超星神グランセイザー』。メイン監督は『ウルトラマンティガ』など平成ウルトラシリーズの村石宏實。出演陣は、赤星昇一郎を筆頭に、瀬川亮、芹沢秀明、高原知秀、正木蒼二などがヒーローを演じた。また、グラビアアイドル磯山さやかもセイザーヴィジュエルとして出演している。
ヒーローグループを3人に絞り込み、ぐっと凝縮したドラマを展開したのは『幻星神ジャスティライザー』。メイン監督は平成ウルトラシリーズを手掛け、現在はインドネシアで「ガルーダの戦士ビマ」のメガホンを執る石井てるよし。今やTVドラマ、映画に数多く出演する浪岡一喜が、デモンナイトとして18話から登場するのも見逃せない。
シリーズの最後を飾った『超星艦隊セイザーX』は、地球の未来をかけた宇宙海賊との戦いが展開する。巨大ロボットがそれぞれのヒーローが搭乗する宇宙戦艦から発進するのがユニークだ。宇宙スケールの戦いと茶の間で繰り広げられるドラマをバランスよく描いた。これら3つのシリーズを通して特技監督を務めたのは、「平成ゴジラ」シリーズ、『ガンヘッド』など斬新な映像構成で日本映画界に新風を吹き込んだ川北紘一。東宝特撮の伝統ともいえるミニチュアセットと、当時の先端をゆくデジタル合成を組み合わせ、TV画面に収まらない迫力の特撮映像を見せてくれた。