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ゴジラとメカゴジラ、宿命の対決!

UPDATE:2014.3.7

ゴジラとメカゴジラ、宿命の対決!

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“ゴジラ”と言えば、怪獣、そして日本特撮の代名詞的存在! 今回は、そんなゴジラの中でも、1999年~2004年に作られた作品、“ミレニアムシリーズ”にカテゴリーされる2作品をフィーチャー。2014年はハリウッド版も上映予定と、あらためて脚光を浴びているゴジラだけに、まずは国産ゴジラをチェック!

 95年以降、ハリウッド版『GODZILLA』の公開をはさみ、制作が休止していた「ゴジラ」は、99年の第23作『ゴジラ2000 ミレニアム』で復活し、新世紀のゴジラ像を模索し始める。ミレニアムシリーズと呼ばれる、この新ゴジラの世界観は、それまでの既存の作品をリセットする形で、各作品が、54年の第1作の続編的な位置づけになっているのが特徴。その中で唯一、『ゴジラ×メカゴジラ』と『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』が、連続した大型活劇的な構成となり、注目を浴びた。
 作品ごとにリファインされている新デザインのゴジラは、現代文明に対する地震や台風といった自然災害と同様の脅威として設定され、それに対応する自衛隊とのバトル・アクションに主眼が置かれている。映像面でも、これまで培ってきた伝統的な「特撮」を、CGやワイヤーアクションといった新技術を投入したことで格段の進化を遂げさせ、スピーディかつ大胆な画面構成を実現したのが、このミレニアムシリーズなのだ。



 本作は、02年に公開された、手塚昌明監督による第26作。3度目の登板となった新世紀のメカゴジラ(機龍)は、対特殊生物自衛隊が運用する対ゴジラ用兵器という設定だ。
 自衛隊員の家城茜は、かつて、自分の過失で仲間をゴジラに殺されているという過去を持つ。その彼女が、対ゴジラ用兵器「3式機龍」オペレーターに起用されるが、機体を制御するDNAコンピュータには、ある重大な機密が隠されていた―。
 デザイナーの西川伸司によって、シャープなデザインとして生まれ変わったメカゴジラは、機龍が正式名称で、自衛隊のロボット兵器としてのリアリティを加味されるとともに、俊敏なアクションでの肉弾戦など、従来の怪獣対決シーンを一新するイメージを構築。特殊技術の菊地雄一監督は、従来の特撮に加え、要所要所に小気味よいデジタル映像を挿入し、洋画のアクション作品やアニメ作品に代表されるスピード感溢れる演出を実現した、アクション大作に仕上げている。



 前作の好評を受けて03年に製作された、手塚昌明監督による第27作である。世界観的には、『ゴジラ』の流れを汲みながら、『モスラ』(61)の続編にも位置。また冒頭に『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣』登場のカメーバが顔を見せるサービスカットが話題を呼んだ。
 初代ゴジラの細胞を使って生み出された機龍(メカゴジラ)の運用に、生命の大切さを訴え、異を唱える小美人。代わりにモスラが命をかけてゴジラと激突するが、強大なパワーの前に絶体絶命の危機に陥ってしまう。ついに特生自衛隊は機龍投入を決意する――。
 東京タワーと国会議事堂の破壊シーンが見せ場として用意され、前作を上回るバトル・アクションが展開されたが、機龍を巡る人間模様に焦点を当てた本作は、より深いストーリー性を追求した特撮ドラマとして、新機軸を生み出した。キャスト面では東宝シンデレラ出身の大塚ちひろと長澤まさみが、小美人を演じて人気を呼んでいる。

【テキスト:幕田けいた(大衆文化研究家)】

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