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UPDATE:2015.6.25

業界著名人がアニメ作品をオススメ!

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『聖闘士星矢Ω』の経験からシリーズディレクターとして参加
――長期人気作品の『聖闘士星矢』ですが、アニメ最新作『聖闘士星矢 黄金魂 -soul of gold-』が現在配信中です。今回主役の黄金聖闘士 (ゴールドセイント)も続々登場していますが、中盤以後の展開はどうなるのでしょう?
古田
今後はひたすらバトルなので、現場はどんどん大変になる一方です(笑)。前半はむしろ、今まであまり描かれなかった黄金聖闘士たちの日常をメインにしてきましたが、ユグドラシルに突入する6話以降、まさに「全編バトル」となります。
――次々と関門を突破していくみたいな展開は、『星矢』の宿命ですね。
古田
そうですね。本シリーズは全13話なので、1話ごとに何人倒さなければならないか計算しつつ、どんどん密度をあげていなかければならない状況になっています(笑)。
――それぞれの黄金聖闘士に見せ場も必要です。
古田
今回、12人の黄金聖闘士をカッコよく見せることがメインの目的です。ただし敵側の神闘士 (ゴッドウォーリアー)もヘタれて見えては困る。ヒロインのリフィアもいるので、「いったい何人活躍させないといけないの!?」と悩みました。
――大人数のなかでキャラクターを立てる点で、ご苦労されていると。今回は、どういった経緯でシリーズディレクターとして参加されたのでしょうか?
古田
今回アニメーション制作協力をしている株式会社ブリッジは、もともと『聖闘士星矢Ω』(12)のときにグロス (1話まるごとの発注形式)で制作を受けていて、僕も絵コンテで参加していました。どうやらそのときの仕事を覚えてもらっていたらしく、去年の3月末に『聖闘士星矢Ω』放送終了のタイミングで声をかけていただきました。初顔合わせに出向いたら、「何をやりたいか来週までに提出をお願いします」と言われ、意外な無茶ぶりからスタートしました(笑)。ちょうどそのころ監督していた『マンガ家さんとアシスタントさんと』が修羅場だったので、大変でしたね。
――長期シリーズ『聖闘士星矢Ω』の、ご自身の参加話数で印象的だったことは?
古田
いろんな話数をやらせていただきましたが、新旧の青銅聖闘士 (ブロンズセイント)、黄金聖闘士がアテナを中心に一挙集結してパラス城に突入する話 (第64話「進め聖闘士!パラスベルダへの険しき道!」)は、かなりしんどかったですね。長峯(達也)監督に「旧青銅聖闘士はどういった感じにすればいいでしょう?」と相談したり、紫龍と龍峰の親子感を出すために、いろんな工夫を重ねました。
黄金聖闘士たちの侠気 (おとこぎ)を見せたい
――そもそもの原点、1980年代の『聖闘士星矢』はどうご覧になっていましたか?
古田
TVシリーズが放送スタートしたころはまだ幼稚園児で、放送終了のときが小2か小3ぐらい。ブーム直撃世代より若干下なのですが、単行本は買って読みましたし、TVシリーズ終盤の「ポセイドン編」はかなりよく覚えています。その後は「瞬がハーデスになる」などのストーリーはなんとなく知っていましたが、細かい部分までは把握しておらず、今回監督するにあたり、「ハーデス編」を改めて観直しました。
――『聖闘士星矢Ω』第64話の「大人数をさばくという」点は、本作にもつながる感じがします。
古田
今回も本当に大変で。オープニングでも12人全員集合の決めポーズを見せていますが、回を重ねるごとに「もうポーズの引き出しがないぞ」と困ってしまい、原画さんからもアイデアをいただいたりして、乗り越えているところです。
――12人の黄金聖闘士が遂に神聖衣になりますね、今回の企画に対してはどのような想いで取り組んでいますか?
古田
最初に聖闘士星矢シリーズに関わる世界規模な様々な展開をうかがい、責任の重さを感じました。やはり重要なのはキャラクターをいかにカッコよく見せていくか、そこが考えどころで。結局、黄金聖闘士たちの「侠気 (おとこぎ)を見せる」……これに尽きるんです。そうすることにより、彼らがまとう神聖衣も映えることになると。
――たしかに車田正美先生の原作漫画も、そういう見せ方です。
古田
バトルシーンを積み重ねて、派手に動かして見せたとしても、それはそれで違う気がしました。むしろ戦いの中で、互いを罵りつつも男の意地をみせつけてやる。その気持ちが強いほうが最終的には勝つ。それが自分なりの「車田ワールド」の解釈です。
――12人の黄金聖闘士は個性的でみんな人気者ですから、平等に愛を注ごうとしている感じも受けました。
古田
そこも大変でしたね。今回、「キャンサーが良い人過ぎるのでは」という評価も聞こえていますが、「現世で恋を覚えて少し変わったんだ」という解釈で描いています(笑)。
――たしかに日常部分での驚きがあって良かったです。
古田
ケロロ軍曹』のようなコメディ的な作品を多く手がけてきたこともあって、僕はどうしてもユーモラスなシーンを入れたくなってしまうんです。童虎が聖衣を着ながら酒を飲んでいるシーンも、シナリオ上は特に指定がなかったのですが、「これは着せたほうがおいしいぞ」と(笑)。アイオリアが目立つ聖衣箱を背負ってるのに、街中をコソコソ隠れながら移動するのも、わざとなんです。僕は当時子供だったので不思議に思わなかったのですが、「もしかして大人はツッコミながら『星矢』を観ていたのでは?」と。それで5話でシュラと偽シュラが取っ組み合うシーンも、「いつまで空中でしゃべり続けているんだよ!」とツッコめる感じにしました(笑)。
――口上を述べている間、敵の動きが止まってしまうのは、時代劇と同じですよね。
古田
そうなんですよ。シナリオ構成の竹内(利光)さん曰く、「これは時代劇や歌舞伎みたいなものだと思ってください」と。セリフ回しもけっこう時代劇寄りですし、あえてそうしています。
――黄金聖闘士は、いずれも卓越した戦闘力を持っているので、バトル展開を考えるときにも苦労があったのでは?
古田
ホントに強すぎて困ります。特にサガとかシャカとか……。強さをどう見せるか、そこも大きな悩みどころでした。もともとポテンシャルの高い黄金聖闘士が、神聖衣を装備するわけです。はたして神闘士は立ち向かえるのか? その上、最後には大ボスも控えている。となると……単に戦うだけでは神闘士が弱く見えすぎてしまうわけですね。ですから黄金聖闘士の先輩方が不憫かもしれない神闘士たちを、どのように扱っていくのか。そこも後半のみどころでしょう。
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