<月刊>アニメのツボ

UPDATE:2013.12.25

クリエイターズ・セレクション「監督・キャラクターデザイン:錦織 敦史 インタビュー」公開中!

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業界著名人がアニメ作品をオススメ!

劇場版『アイドルマスター』の公開間近!13人のアイドルたちを、
心の奥まで鮮烈に描きぬいた錦織敦史監督。
キャラクターデザインからシリーズ構成まで多面的に関わった、その姿勢に迫る!

監督・キャラクターデザイン:
錦織 敦史


取材・構成:氷川竜介

クリエイター感覚で、アニメのツボを徹底的に刺激!自作にまつわる貴重なエピソードから、
子どもの頃に大好きだったアニメ、プロを目指すきっかけとなった衝撃の作品などなど、
魅力的なガイダンスを聞きだします!
ドラマ面を重視した後半の物語構成
――『アイマス』では監督だけではなく、シリーズ構成、キャラクターデザインもふくめ、総合的に担当されています。
錦織
そもそも僕自身に監督の経験がなかったので、「これだったらやれる、なんとかファンの人に満足してもらえる」と自分で納得できる方向性を実現するためには、キャラの見せ方に関して自分が徹底的に努力しないといけないと思ったからです。拙いのを承知でやらせてもらえて、バンダイナムコゲームスさんには感謝しています。自分としては、『アイマス』も『グレンラガン』も魂の部分は変わらないんです。任せてもらえて、やりたいものをやらせてくれたことに対して、甘えられないと思ったから、期待に応えようと。絵に関してもキャラクター描写に関しても、きちんとやって、ファンの方々に喜んでもらえるようがんばりました。
――全25話の長丁場を、前半・後半みたいに構成されていましたね。
錦織
それは最初から明確でしたね。1クール目がゲームを追って個々のキャラクターにスポットを当てつつ、事務所がひとかたまりになる部分。後半2クール目は外の世界との物語をやることで、765プロという団体戦であり群像劇にしたいと思いました。アニメをやるに当たって新たな可能性もひとつほしいなという想いからです。
――そして最後の方で、大きなふたつのヤマ場を迎えます。
錦織
最初のうちは第20話の千早の話がとりあえずのヤマにしていて、最後の春香の話は決まっていませんでした。でも進めているうちに、「センターである春香って何なんだろう?」という疑問が出てきて、「これを放置するのはアニメとして不完全すぎるのではないか?」という気持ちになってしまったんです。なのでアニメなりに春香にケジメをつけるため、23、24話あたりでかなり彼女の内面に入っていきました。それも迷いつつのことで、最後までカメラを引いて描いた方がスマートかなとも思いつつ、でもそれだと春香から逃げている感じもしてきて、どうしてもやってみたくなったんです。シリーズ演出の高雄統子さんとも「20話で重たい話をしっかりやった後に、また重たい話は観たくないんじゃないか?」などと、ずいぶん話し合いましたが、やはり自分たちとしても納得したいし、観ている方にもそれを感じてほしいなという気持ちでしたね。

原作の『アイドルマスター』自体がものすごく特殊な世界観で、アイドルものでありながら、決して下剋上みたいにはならないんです。「みんないっしょにがんばろうね」という部活ものに近い感じ。ただしそれを突き詰めていくと、「仲良しっていいね」という幼稚園的なものでいいの? と、どうしてもなるわけです。その辺をボカして終わることもできましたが、実は『一緒に居続けること』こそが大変なんだということを、きちんと描きたかったんです。
――TVシリーズを終えてみての実感はいかがですか?
錦織
良くも悪くも自分らしい作品だと思います。
――確かに今日のお話のような、真摯で一途な感じはよく出ていると思います。
錦織
正直、それしかなかったんですよ(笑)。とりあえずぶつかるしかない。「真摯につくる」ということを大前提にしようと思いました。もちろん終わってみると、各キャラクターをもっと表現できたんじゃないかとか、ああしておけば良かったなという反省はいまだにあります。本当に平均的に扱ってあげたかった。そういう悔しさは好きな分、出てきます。それでも当時、自分のやれるMAXの仕事ではあったし、それがスタッフのがんばりで120%にできたので、満足しています。
――ドラマ的に見応えある作品でしたが、映像についても凝ってますよね。
錦織
演出においては高雄さんのがんばりが大きいと思います。同じ『アイマス』でも人によって見え方が全然違うので、画づくりの方向性、キャラクターの描き方をスタッフの間に定着させるまでが監督の仕事でした。ライブシーンなど派手なところは比較的イメージしやすかったんですが、それ以外の日常にそれほど劇的なことがあるわけではないので、当初はもっとイメージ的なガチャガチャした感じのものにして逃げられるようにしたかったのですが…、フタを開けてみたら思いきり地に足がついた感じになってしまったんですね(笑)。そうなるとレイアウトや画面の密度で情報量を上げていくしかないので、大変になる一方で…。ただ、その時期自分もグレンラガンやパンストをやりながら、そういう作品もやってみたいと思っていたので、それはそれでやり甲斐を見つけられたんですね。
――音楽が中心の話ですが、そこにはどんな工夫をされましたか?
錦織
歌のストックは相当な曲数があったので、それはふんだんに使おうと。ルールなしに進めるとメチャクチャになりそうな気がしたので、とりあえずエンディング1曲、サブドラマと中に挿入歌ひとつ。お当番回ならそのキャラのシーンに代表曲をと、それを決めただけで、かなりやりやすくなりました。
歌ものとはいえミュージカルみたいにはしづらいし、毎回曲に合わせてコンテを切るというのも無理ですが、曲が先にあることによって計算でつくれる部分が多かったので、なかなか他にはない贅沢な作品になりました。新曲も相当数発注できましたし、それはゲーム人気の地盤を最大限使わせてもらいましたね。こういうことは二度とないなと思いつつ(笑)。
待望の劇場版『アイマス』

©NBGI/PROJECT iM@S
――さて、劇場版はどんな感じで進んでいるでしょうか?
錦織
これまでのシリーズの要素もしっかり入っていて、これからのこともちゃんと入っている集大成的なものになります。『アイドルマスター』のキャラクター自体はこの先もずっと変わらないでいてくれると思いますが、コンテンツ自体はいろいろ進み始めていますから。いろんな方向で『アイマス』と冠のつく新たなものが出てくる中で集大成にして、なおかつ少しでも新しさや今後の『アイマス』が見えてくるといいなと、そんなコンセプトです。あとはいつもどおり、がんばって真摯につくっています(笑)。

≫公式サイトはこちら
――劇場という空間自体がステージですから、また格別のものがありますね。
錦織
そんなイベントムービーとして、みんなで彼女たちを応援して楽しめる作品にできたらいいなと。今回もドラマがしっかり入ってきますので、そこも見応えがあるようにがんばります。ライブもTVよりはもう一歩先の映像を試みていますし、ボリューム的にもTVの時にはやれなかったことをギッシリと詰め込んでいます。
――キャラクター描写についてはいかがですか?
錦織
新キャラが7人ぐらい入って最大20何人になるので、さすがに平等にはなってないかもしれません。たぶんこれ以上のキャラ数はないだろうなと。たまに765メンバー13人だけになったときには「少なくて描きやすいなー」なんて思ったりして(笑)。
――映画の前までにTV版を復習しようとしている方も多いと思います。
錦織
TVシリーズの延長上にある話でもあるので、流れで見るとより楽しめる作りになっていると思います。ぜひとも映画の前に観返してほしいですね。再放送もしていますが、最後の方は劇場に間に合わないので、ぜひともバンダイチャンネルで(笑)。特に第20話以降は、最後までガッと一気に観てほしいなと思います。
PROFILE
錦織敦史(にしごり・あつし)
アニメーション監督、演出家、キャラクターデザイナー、アニメーター。鳥取県米子市出身。米子東高校卒業後、東映アニメーション研究所からガイナックスへ入社。『まほろまてぃっく』(01)で初原画、『ぷちぷり*ユーシィ』(02)で初の作画監督を担当。『トップをねらえ2!』(04)では演出を手がけ、『天元突破グレンラガン』(07)では初のキャラクターデザイン、『Panty&Stocking with Garterbelt』(10)ではメインキャラクターを担当した。『アイドルマスター』(11)は初めての監督作で、2014年1月25日にはその劇場版が公開される。『グレンラガン』で第7回東京アニメアワード個人賞(キャラクターデザイン部門)を受賞、『アイドルマスター』ではニュータイプアニメアワードの監督賞、キャラクターデザイン賞を受賞している。
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