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UPDATE:2014.10.25

業界著名人がアニメ作品をオススメ!

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ロボ好きのお祭り作品『健全ロボ ダイミダラー』
――さて、近年の代表作と言えば『健全ロボ ダイミダラー』(14)ですね。失礼ながら「吉岡さんらしい作品だな」と思いつつ楽しみました。
吉岡
あらかじめ原作をもらっていたんですが、「この企画まず通らないな」と甘くみていたら、OKが出たので「この業界捨てたもんじゃないぞ」と思いました(笑)。
――そもそも題名からして「大丈夫か?」ですし(笑)。
吉岡
本当ですよね(笑)。原作がギャグものだから、ポンと放り投げてまた次回は全然違う話みたいなテキトーな感じにしようと思ってました。ところがプロデューサーが、なんでも整ってないと気が済まない性格で、「謎エネルギーのHi-ERo粒子にも、ちゃんと設定をつくりましょう」といきなり無茶振りされまして、「マジかよ!?」みたいな(笑)。でも、ダイミダラーなのに設定がやたらとちゃんとしてたら(笑)、それはそれでネタになるぞと思い直し、かなり本気で設定してみました。
――かなり脳ミソ使った感じですか。
吉岡
ええ。なんでもかんでも全部理屈をつけちゃえと。全体的なストーリーから、ロボが人型である理由ですら、全てをHi-ERo粒子ありきで、発想しました。『ガンダムセンチュリー』のAMBACシステムみたいな後づけ設定は楽しかったですね。それと柳沢テツヤ監督は「勇者シリーズ」も経験しててロボット大好きですから、ノリにノってて。私は仕事と趣味は分けたい方針なんですが、これだけは「楽し過ぎて大丈夫か?」と心配になるほどでした。
――でもその楽しさが人気につながったと思います。スタッフも楽しんでましたね。
吉岡
ロボット好きのベテランさんが集まってきて、しかも手描きにこだわったのが嬉しかったです。自分が子どものころロボットアニメやマンガからもらったものを、全部ここでお返しした。そんな機会をいただけて、ありがたかったです。
――三博士もロボ好きには速攻ピンと来るキャラで。
吉岡
色気が足りないなと言われ、女子を増やすんなら三博士を出そうと提案したのは自分です。そうしたら原作のなかま亜咲先生が「もり子、そり子、せわし子」という名前で出してきて「さすがです」と(笑)。全員参加のお祭りみたいでしたね。
原作とアニメの良さが融合『ハイスクールD×D』
――同じティー・エヌ・ケー制作の『ハイスクールD×D』(12)も人気作です。
吉岡
原作の良さとアニメの良さがいい感じで融合した、良いアニメ化だと思います。ゲーム原作と同様に一人称の原作なので、主人公が見ていない裏側はどうなのか、アニメのほうでいい感じに補完できたと思いますし。
――お話の中では、映像化を一生懸命考えて埋めていくことでは一貫しています。
吉岡
小説は文字ですが、読者が文字という記号を頭の中で映像に変換するには集中しなければなりませんよね?ところが映像は、視聴者が集中していようといまいと勝手に流れてしまう。それがゆえに、どうやってお客さんを引き止めて集中させられるか、興味をもってもらえるか、そこに尽きます。映像の脚本はいつもそこで苦しみますし、これに関しては完全に技術力の勝負になりますね。
――これも全話脚本を書かれています。何か理由は?
吉岡
基本は全話が希望なんです。構成に凝りたいと思ったとき、他のライターが入ると完全に固めて話数をきちっと仕分ける必要があるので、冒険ができなくなるんです。全話が自分なら「ここのシーンは次に回せるな」とか「このエピソードはこっちで」と調整できますから。とはいえスケジュールを筆頭にいろんな事情があるので、なかなか難しいですけどね。
――お色気たっぷりで、戦って戦ってというヒーロー的要素もありました。
吉岡
「かつてのジャンプアニメ的な熱血テイストを入れたい」というのが監督の要望だったので、それを受けての脚本づくりになりました。
海外からも高い評価『エルフェンリート』
――そして吉岡さんと言えば印象的なのが『エルフェンリート』(04)です。ある海外サイトでアニメベストを挙げていたとき、『AKIRA』などに混じって上位に入ってて国際的な人気を知り、驚いたことがあります。
吉岡
いまだに外国の方から「続編はないのか?」ってメールが来ますから、不思議ですよね。スタートもまた特殊で、アニメの企画者から原作をわたされたときに「制作会社と監督は誰にしますか?」と、私に決めさせるんですよ(笑)。考えられないことですよね。それで神戸守監督とは『出撃! マシンロボレスキュー』という作品で「次はシリーズ構成と監督としてやりたいね」と話した直後だったので、思わず「監督は神戸守で」と。制作会社もお付き合いのあった「アームスで」と言ったら、本当に通ってしまいました。
――そこで先ほどの神戸さんとの仲が……。
吉岡
そうなんです。神戸は女児向け一般作(『Cosmic Baton Girl コメットさん☆』(02)等)が多く、深夜の1クールものは実は初でした。アームスもTVシリーズは『MEZZO-メゾ-』(04)くらいで慣れていなくて、どちらも加減を知らなくて……映像観て唖然としました(笑)。
――冒頭のバイオレンス描写(首が切断される)のことですね。
吉岡
カット割りでうまく逃げると思って書いたのに、「うわ、そのまま正面からやってる!」と。もともと神戸の作家性とは相反する部分もたくさんありましたが、逆に良い感じで化学変化を起こし、ひとつ新たな物語として完成した感じがします。だから、神戸を呼んで間違ってなかったなと(笑)。
――かなり苦労された作品のようですね。
吉岡
原作はモノローグが多いんですが監督が映像には動きもあれば音もあるので、セリフで語らなくても伝わるものは伝わるという考えだったので(笑)。原作の岡本倫さんも1話の絵コンテでそれを理解していただき、任せていただきました。神戸監督にとっても挑戦で、転機になったのではないでしょうか。
――これからご覧になる方に、何かお伝えしたいことは?
吉岡
かなり残酷なシーンもありますが、4話ぐらいまで観ていただければ、期待を裏切らない素晴らしいテーマ性のある作品だと分かっていただけると思います。原作に追いついてしまったため、最終回は完全オリジナルで、車椅子の女の子とお父さんとの会話劇は、監督の無茶振りで(笑)当初想定していた構成をまるまる書き換えたのですが、それがものすごく良い感じで映像化されていて、あそこでグッときます。主題歌がすごく良いので、外国では歌だけ知ってる方もいるようですね。
書きたいものが見つかった『吉永さん家のガーゴイル』
――『吉永さん家のガーゴイル』(06)も、気に入っているとお聞きしました。
吉岡
「あっ、俺はこういうのが書きたかったんだ」と自分で気づかされた作品です。それまでは受けた仕事を、いかに技術的にうまく仕上げてお客さんに楽しんでもらえるかだけを考えていて、自分のことは二の次でした。そういう意味で思い入れは深いですし、いつかこういう世界観でまた書いてみたいです。
――その世界観とは、具体的にどんな感じでしょうか?
吉岡
子ども向けじゃなのに、子ども向け的な平和な幸せがあり、そして人情味があるような……『ど根性ガエル』に近い、ご近所人情もの、ですかね?
――昔で言えば「長屋もの」ですか?
吉岡
まったくそのとおりです。あまりにも自分にハマり過ぎていて、逆に脚本を書くのがものすごく大変でした。「まだまだ書ける」と満足できなくなってしまい、時間かかり過ぎて大変だったんですけど、楽しかったです。
――そういう作品も、巡りあわせですね。
吉岡
今にして思えば、以前から伏線はあったんです。『出撃! マシンロボレスキュー』に参加したことで「子ども向けもやりたいな」と思ってましたから。それで『わがまま☆フェアリー ミルモでポン!』(03)にお願いして入ったものの、仕事がパンクして1本で力つき、泣く泣く降板したんですね。ところがスタジオ雲雀さんとカサヰケンイチ監督が『MAJOR』(04)やるとき、また声をかけてくださったんです。これも6年近くも続いたんで、本当にありがたい作品になりました。
――『MAJOR』も、やっていてすごく良かったそうですね。
吉岡
とにかく子どもががんばっている話を書かせてもらえるだけで、嬉しくて嬉しくて。ただ、野球の試合なので最低でも18人いる。相手チームの選手全員の名前を考えるのが大変でした。これがメジャー編になると、外国の名前になるからさらに大変(笑)。実は試合のシーンはそれほど書いてなくて、オリジナルで肉づけしたキャラクターメインの話が多かったです。それも大好きなので楽しかったですね。
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