この作品は「アニメノチカラ」3部作の3作目として製作されていましたが、「世紀末オカルト学院」の製作が遅れたため前倒しでの放送を余儀なくされました。「戦前の満州や上海を舞台にした日本軍の特務スパイの活劇」という概略だけでもう、その製作の大変さは伝わるのですが声優さんに中国語を勉強してもらったりと丁寧な製作をされていたにもかかわらず、前述のような事情で後半の製作にどうしてもしわ寄せがあったのを感じます。
しかし、ダメな作品かと言うとそんなことはありません。難しい題材に真摯に向き合って描き切った良作です。
基本的に「史実」を変えるような描写は無く、大きなあらすじは歴史の教科書通りです。その裏で、その影で彼らの暗躍と活躍があった。主人公たちのように決して表舞台に出ることの無かった作品ですが、未だに私の心の中に光続けています。観終えた時、貴方は時代の裏の証人になっていることでしょう。