掃いて余りある世の中の理不尽さを知り過ぎたが故に、いつしか孤独ばかり愛するようになったヴィタリスさんが、なぜレミのことを助けたのか?という所から物語は始まります。
半ば強引に引き取ったレミのことを保護するわけでもなく、一人前のおとなとして扱うことしかできないヴィタリスさんの態度は、どこか人とふれあうことにぎこちくなってしまった老人の哀愁のようにも感じられます。
そんなヴィタリスさんが「助けたつもりが私のほうが救われた」と本音をこぼす場面が印象的です。
明るさは強さだ、希望だ。そうレミに託したことばはヴィタリスさんがレミに感じた憧れそのものだったのかもしれません。
今回が3度目の視聴でしたが、ヴィタリスさんの最期がそれほど悪いものではなかったのかもしれない…と思えるくらいおとなになりました。
愛についてなにも知らなかったのは、本当はヴィタリスさんの方だったのかもしれません。泣けるお話です。