おおよそ探偵というものは、現実であれフィクションの中の存在であれ起こってしまった事に対して後から動き出す存在の枠を絶対に出ないものです。そういう意味では事件発生後に動く警察や、病気になってから通う病院、火事が発生してから出動する消防と同じですね。だけどその彼らの行動によって解決したり、救われたりするものは確かに存在するのです。この作品はフィクションですが、それらのことをしっかりと伝えてくれるなかなか稀有な作品ではないでしょうか。
作中ではニート探偵(笑)とか主人公にやさしい暴力団(笑)とか都合のいい存在や話の展開はありますが、前述した探偵の枠をはみ出すような作品ではなかったのがよかったです。事件が起こる前に解決したら事件そのものが起きなかったことになりますしねw最初は巻き込まれただけの主人公が自覚ある大人になっていくのは微笑ましかったです。併せて原作小説を読みたい気持ちになりました^^