主人公は女子高校生。思春期の健康的な営みを、爽やかに描いている。
社会に出て久しい人間から見れば、ノスタルジックな雰囲気に浸れる。もちろん、嫌な思い出はすっぽり抜かして・・・。ただ、同年代の子供達にとってはどうだろう。出てくる人達は皆、良い人ばかりだ。現実には有り得ない天国の様な世界である。そこには、暗いドロドロとした想念は無いが、社会との接点を持ち始めた子供達の悩み -自分自身を陥れる様な- を解決してくれるヒントも無い。
この作品は清々しい風をもたらす。その風は子供達を元気づけてくれる。でも、心の奥底にある苦悩までは吹き流してくれないだろう。
※さすがに絵は秀逸。ただ、喋る鳥だけ違和感が有る。色気づいたガンモ(昔見たアニメの主人公)の様であるが、トリックスターと言った所だろうか。鳥だけに・・・。