滅びた世界で二人だけ、食料が尽きても死、食料が尽きる前に燃料が尽きても死。そんな状況でおそらく何年も旅をしてきた、そんな主人公たちに、「銃を人に突き付けるなんて非常識」という人がいたとしたら、残念ながら、この作品世界に十分に没入できていないということでしょう。ユーリがチトに銃を向けたとき、チトがいっしゅん凍ったこと(おそらく実弾が入ってました)、本気でユーリを殴ったこと(もちろん、おふざけでは済まされないからです)、そして、ユーリがそれをうれしそうに受け止めたこと(ユーリはチトが怒ったことがうれしかったのでしょう。なぜなら、チトはまだ生をあきらめておらずユーリの支えであり続けてくれるからです)。原作では読者に解釈を委ねますが、アニメではユーリの秘めた死による解放への願望と葛藤が分かりやすく表現されています。ちなみに、つくみず先生のエンディングアニメーションは圧巻。