元々、同人の作品が元ネタらしいですね。『オールドホームの灰羽たち』
色々な『謎』は出てきますが、それらの伏線はほぼ回収されません。基本的にのどかで静かなテイストで話が進みますが、所々に不穏な雰囲気を孕んでいます。大きな事件は起きませんが、繊細な『灰羽』たちを震わせる事態はちょくちょく起きます。
ファンタジーというにはあまりに『静か』です。それがもどかしいような息苦しいような・・・けれどそれが『救いを求めてやまない殉教者』のような渇望にも思えます。
要約すると、『予定調和の救済』のお話でしょうか。一度見ただけでは理解し切れない部分は多いですが、謎の解明も世界の有り様も『灰羽』たちの救済前では些細な問題なのでしょう。
あまり類を見ない作品なので、一見の価値はあります。