歳を取ってから青春や恋愛を描いた作品を観ますとね、若さへの嫉妬心という厄介な感情から自分の哀れな心を守ろうとするのでしょうかね、「若いねぇ~」なんてつぶやきながら反射的に物語からちょっと距離を取ろうとすることがあるのですよ。そうするともう物語を素直に楽しめない。
この作品では主人公が現在の心的状況を維持したまま高校生の外見になり、高校生を体験します。視聴者である私は自然に「大人なのに高校生をやっている」主人公に感情移入しますね。するとあら不思議、例の厄介な感情をスルーして、私が毎回24分間relifeしちゃうんですよ。
視聴者の心をあやつるこの霊魂操作、もし原作者が計算尽くでやっているのであれば、ただ見事というしかないですね。そして込められた主題がいいですね。carpe diem! 「今を生き抜く」ための毎回24分間の練習、本編、完結編ともに堪能させていただきました。