時間を遡って過去改変をすることによって現実を変えようとする作品があります。無数の平行世界を移動しながら最も都合のよい世界を選ぶというタイプも、平行世界=可能性、選ばれた世界=実現した世界、と考えるなら同じような意味になります。過去を改変する作品を見る度に私は思っていました。一度実現したことを存在しなかったことにすることって許されていいのかな、と。その世界は滅亡にむかっていたり、主人公にとっては都合が悪かったりするかもしれないけど、それを理由にして、無関係な人々の意見も聴かずに人々の営みを無かったことにしてしまうのって、あまりに乱暴じゃあないですか。そんなことを考えていたら、私と同じ意見に出会いました。この作品のユキちゃんです。彼女は自分の親姉弟が死んでしまう世界を否定しません。どうかその理由を聞いてあげてください。