伝統的にホラーには、予兆(出るぞ出るぞ)、恐怖(出たー)、逃避(助けてー)をそれぞれたっぷり描写するというお約束があるのですが、この作品はそのへんの文法を完全に無視した、新感覚のライトホラーです。
主人公たちは毎回異世界で生死をわけるような恐ろしい体験をしますが、恐怖体験の描写は簡潔で主人公たちもとっさの機転で難を逃れます。このあたりは物足りなさを感じる人が多いかも知れません。
むしろ、日常世界と異世界が截然と分かれておらず隣り合っていて(しかも回が進むにつれて境界が曖昧になってゆくらしい)、主人公たちがその状況をそれほど違和感を感じることなく受け容れているところに、現代的な意味でのホラーの要素があるのではないでしょうか。
小難しいことは措くとして、あとは裏ゆみりを堪能するもよし、次回予告に出てくるお品書きを眺めてニヤニヤするもよし、楽しむ要素はたっぷりあります。