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春夏秋冬代行者 春の舞 第拾肆話(24分)
冬に咲く春の花
――儚げで、弱々しくて、誰かに導いてもらわなくてはいけない、そんな娘はいま居なかった。春の代行者・花葉雛菊は、無辜の人々を守るため、迫りくる観鈴と対峙することを決意する。相対する「華歳」は、ビルの内部に数々の爆弾を仕掛けており、時間に猶予はない。「それ持って、雛菊とさくらで、上、行こう?」 主の身を案じ、すぐに決断することができないさくらに、雛菊は語りかける。「……ごめん、ね、さくら。雛菊、今日しか、これ、言いません」「賊から、民を、逃がすこと。至上命令、とします。春の代行者としての、“君命”です」 普段の可憐な雛菊とは違う、神々しく毅然とした態度はまさに現人神。「少しでも、多くの、命を、守る。その、お手伝いを、して下さい」 民を救わんとする姿に、さくらのみならず、その場にいた全員が心を揺さぶられた。そして、冬の代行者・寒椿狼星とその護衛官・寒月凍蝶も、二人のもとへ向かう。代行者の始まりの物語は、ここで転機を迎える。――春と夏と秋と冬は、人間の一部にその力をお与えになり、冬は永遠に春を愛す時間を得た。かくして世に四季の代行者が生まれたのである。