バンダイチャンネル

<月刊>アニメのツボ

UPDATE:2013.8.25

クリエイターズ・セレクション「岸誠二監督インタビュー」公開中!

業界著名人がアニメ作品をオススメ!

新作『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-』(10月放送開始)が話題の岸 誠二監督。
バンダイチャンネルに登録されている数々の自作から、何をオススメしてくれるかな?

岸 誠二インタビュー[前編]

取材・構成:氷川竜介
構成協力:桑島龍一/協力:フライングドッグ

クリエイター感覚で、アニメのツボを徹底的に刺激!自作にまつわる貴重なエピソードから、
子どもの頃に大好きだったアニメ、プロを目指すきっかけとなった衝撃の作品などなど、
魅力的なガイダンスを聞きだします!
面白ければいいと、みんなで泥まみれになった
――もうひとつの『瀬戸の花嫁』は、いかがですか?
こっちが『サンレッド』より先なんですけど、積年の思いが溜まりに溜まって好き勝手につくった感じの作品です。仕事をしていく中で、「自分のスタンスで思い通りにできる作品」なんて、そうそう巡りあえるものではなく、だいたいの作品は私にお声をかけていただく時点で方向性や内容が全部決まっていたりします。でも『瀬戸』は「好きにやれば」って言われたので、スタッフ全員に号令かけたら一斉に解き放たれてしまって、誰もブレーキをかけないでアクセル踏みこむばかり(笑)。結果的に「なんだこれは?」って思っていただける、パワフルな作品になりました。自分としては、号令かけたことでものすごい化学反応が起きたと思っています。瀬戸の頃はまだ経験も浅くて粗い部分は山のようにありましたが、それ故の馬力が出ています。
――印象的な回は?
最終回(第26話「きみの帰る場所」)ですね。実質1ヶ月というありえないスケジュールなのにOVAクラスのクオリティで完成しました。現場全体の若い馬力が作品に出ていますね。あの感じが評価されて次のお仕事をいただけたと思っているので、やはり思い出深いし、大きい基点として重要な作品でしたね。『瀬戸』と『サンレッド』は、訳のわからない状況で泥まみれになりながらも「細かい事はいいんだよ!面白ければいいんだよ!とにかくやれ!」と強引につくっていたので、そのパワーが投影されていると思います。振り返ると、一歩間違えれば何も届かない作品になりかねなかったなと。先走りすぎて表現としては成立してなかったりしている点も多く何かと危うかったのですが、「大丈夫、面白いよ」と受け止めていただけたお客様たちに、本当に感謝しています。






無茶なことでも実現すると、覚悟を決めて挑んだ
――もうひとつ、岸監督には『Angel Beats!』という重要な作品があります。P.A.WORKSも注目を集めました。
麻枝准さん(原作・脚本・音楽プロデュース)のアイデアと企画が大前提でしたから、こちらとしてはどこまでそれを映像として再現できるのかに注力しました。基本は「麻枝さんがやりたいことは、全部やるよ」ってことなんですが、ところがそれは基本的にアニメの現場的には無茶なんですよ(笑)。私自身「この質量マジか!?」というところからスタートするわけです(笑)。一方で、今回は麻枝さんの味方をするぞと心に決めてスタートしたわけですから、そこを何とか現場にお願いする役割でしたね。P.A.WORKSの堀川(憲司/プロデューサー)さんには、ずいぶんフォローしていただきました。「監督は止める立場でしょ」と怒られつつも(笑)。でも、まず麻枝さんの発想を絶対につぶさないことが、成立論として一番のものだと信じてましたから。妥協し始めたら、あえて麻枝さんの作品をやる意味がないと、腹をくくりました。
――どんなところがアニメ的に無茶なのでしょうか。
第1話を観ていただければ分かるんですが、アクションとライブと、他にも個別に大変なものが、いっせいに「ガチャッ!」と合体している部分です。全話数にわたってそう。ギャグありシリアスあり、もうなにもかも好きなもの、いま欲しいものがすべて中にギュッと入っている。ところがその質量たるや(笑)。
――ああ、その質量は誰かが描かなければならない。
そういうことです。「ライブシーンが売りです」って作品でも、大抵は1クールに1~2回くらいですよ。 「アクションがすごい」でも同じです。これに「ギャグがすごい」「泣ける作品です」とドラマとしての構築をどんどん重ねつつ、「一斉にやれ!」という作品なんですよ(笑)。
――(笑)。4倍の質量になると。
まさに私が最初に現場に言ったのは、「これは1クール作品だと思わないでください。最低でも26本つくるつもりでこの現場は挑んでいただきたい」という覚悟の話をしました。
――でも、P.A.WORKSの名前も前面に出たわけですし。
結果的には商業的に大きく成功してくれましたし、オリジナル作品としての話題性も申し分ないところに突入してくれて、放送中は何がなんだかわからないくらいに盛り上がっていたようですね。私自身、麻枝さんのセンスを栄養としてたっぷり吸収させていただきました。プロデュース的にも勉強になって、その先を考えると非常に良かった作品です。






――オススメのエピソードはありますか。
オリジナル作品なので、初期の話数は観てる方も「?」がいっぱい出たと思うんです。それをパワーでねじ伏せて、何かわからないけど観てしまうところに持っていきましたが、そこでコメディやギャグシーンが非常に生きてくれた作品なんです。なので4話(「Day Game」)、5話(「Favorite Flavor」)、7話(「Alive」)、10話(「Goodby Days」)あたりが印象深いです。重いエピソードがよく挟まる作品ですが、その中でもこれらの話数が笑いが緩和的に働いてくれたおかげで、お客さんもついてこれたし、結果いいバランスになってくれたと思ってます。
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