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<月刊>アニメのツボ

UPDATE:2014.2.25

クリエイターズ・セレクション「監督:水島 努 インタビュー」公開中!

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業界著名人がアニメ作品をオススメ!

『ガールズ&パンツァー』が大人気!
テンポよくリズミカルで、ユーモラスな演出で知られる水島努監督。
最新作『ウィッチクラフトワークス』について、徹底的にその作品の魅力を語ります!

監督:水島 努 インタビュー

取材・構成:氷川竜介

クリエイター感覚で、アニメのツボを徹底的に刺激!自作にまつわる貴重なエピソードから、
子どもの頃に大好きだったアニメ、プロを目指すきっかけとなった衝撃の作品などなど、
魅力的なガイダンスを聞きだします!
恋愛よりも、もっと大きな絆を描く
――『ウィッチクラフトワークス』に話を戻しますが、ものすごいサービス精神だと思いました。スピーディですし。
水島
丁寧にということを心がけたつもりですが、あまり特別なサービスをした気はありません。体内時計のせいなのか、速度感も私としてはあれが普通です。
――その速い体内時計も、水島監督作品の魅力ではないでしょうか。
水島
でも普通のTVドラマを観てると、結構展開が速いですよ。アニメーションのテンポは比較的ゆっくりに感じるので、ちょっと速めたいという気持ちはあります。もちろんそれと「せわしない」のは別ですが。たまにせわしくなってしまったときは焦って直したりして、いつもバランスには気をつけています。
――ウサギさんが大量に活躍しているなど、にぎやかにも感じました。
水島
オレンジさんの3DCGですね。ああいう可愛いキャラがたくさん動くのは大好きなので、これはいっぱい見たいなと思って多めにしました。オレンジさんには申し訳なかったです。
――スラップスティックコメディ、ドタバタがお好きでしょうか?
水島
恋愛ものよりは好きかもしれませんね。
――恋愛ものに苦手意識? 今回は恋愛の要素もあるのかと思いましたが。
水島
私、恋愛ものには興味がないらしいんですよ(笑)。それも自分では意識してなくて。スタッフみんなで「原作キャラでは誰が好き?」みたいな話をしていたときにボーッと聞いていて、「興味のない顔をして、絡んできませんね」って指摘されたんです。ところが失恋や片想いの話になると、「なになに?」と乗ってくる。相思相愛の話のときは「死ねばいいのに」という顔をしているらしいですよ(笑)。言われてみて「そうなんだ」と。
今回もどちらかと言えば「ボーイ・ミーツ・ガール」ですが、恋愛というより、もっと大きい絆のような気がします。そういうのはむしろ好きです。友情が絡むと楽しいんですよ。ただし恋愛だけだと、興味をなくすらしい(笑)。相思相愛ということにムカつくんじゃないですかね(笑)。一方的にモテたり、無駄にモテるとなったとたんに興味をなくす(笑)。多分キャラクターにやきもちを妬いているんだと思う。
音楽に通じるセリフの感覚
――恋愛の対極にあると言えば、監督は『よんでますよ、アザゼルさん。』(11)のように毒のあるコメディも得意な印象があります。
水島
あの作品も原作のテイストに気を付けてつくりました。
――とは言え、アニメとしてのドライブがかかっているように感じます。
水島
かなりノってつくれたのは事実ですね。それは15分という枠も大きかったと思います。30分だともう少し違ったつくり方にしたと思いますが、15分は一瞬で終わってしまうので、TVの前でボンヤリしている人に「観て観て!」と注目してもらえるよう、テンションを盛った部分は多かったです。それで結果として押しの強い感じが出たんだと思います。
――女性にもファンが多いです。
水島
正直、予想外でした。でも、キャラクター人気が出たのはありがたかったです。ただ、私としてはそう言う方向に色気を出さずに、あくまで原作のテイストを大切にしてつくっていきたいなと。
――その姿勢がタイトルのバリエーション、守備範囲の広さにつながっているかと。
水島
自分は「職人」でいいと思っています。「芸術家」ではないので。
――『よんでますよ、アザゼルさん。』や『じょしらく』(12)などに顕著ですが、水島監督の作品は呼吸、リズム感がいいなと感じてます。
水島
言葉が音楽になっていくような感覚は、いつももっています。これも『クレヨンしんちゃん』と『ジャングルはいつもハレのちグゥ』(01)で学んだことですね。ただし、いまだにうまくいかないことも多いので、まだまだ勉強中です。
――音楽的というのは、どういうことでしょうか?
水島
しゃべりが音楽のような気持ちよさで聞こえるとか……。うまくいかない時もあるので、あまり偉そうなことは言えませんが何となく言葉はリズムだという感じがしています。
――それはセリフとカット割りでつくっていくものでしょうか?
水島
ちょっと違うかな……。しゃべりには、聞いていてはっきりと内容は分からなくても、思いだけは伝わって、それでいて何となく気持ちがいいタイミングというのがある気がしてならないんです。具体的にどういうものか? というのは、まだ自分でも答えは出ていないんですけど、何かあるという感じがします。私の中学高校時代は洋楽が流行しましたが、意味も分からずに聞いていたわけです。つまり、当時歌詞をリズムやメロディの雰囲気でしか聞いていないということ。あの感覚に近いのかしれません。ただ内容がどうでもいいというわけではもちろんないし、どうでもいいなんて受け取られると、何より声優さんに失礼ですよね(笑)。もちろんそういう意味ではないんですが、でも、どこか洋楽に近いリズムの感覚はあります。
――それはアフレコで気をつけていることでしょうか?
水島
アフレコより、むしろダビングの方で気をつけています。変に気持ちの悪い妙なリズムにならないように、気をつけて調整しています。
――調整はどのようにされてますか?
水島
たまにですが、セリフの位置をズラしたりします。間をつくるならつくる、つくらないならつくらない。他にはSE(効果音)などでリズムを埋めたり、(リズムの)裏打ちみたいにもします。
――カッティング(編集点)は変えずにそれをやるんですか?
水島
本当はカッティングも完成してからいじりたいんですが、諸方面に負担を強いてしまうので、なかなかできません。カッティングを2回やらせてもらったのは、『ガールズ&パンツァー』(12)だけです。ホントはある程度の画がそろってからでないと、カッティングは出来ません。あの作品では画がそろった状態で音楽を仮に入れたり、タイミングを合わせたいところもけっこう出てきたので、2回やらせていただきました。
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