クリエイターズ・セレクション

UPDATE:2016.3.25

業界著名人がアニメ作品をオススメ!

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“泥臭い男の子”を描きたい時期に参加
――『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』(16)も、いよいよ最終回目前です。ガンダム作品にシリーズ構成として参加された、そのきっかけは?
岡田
私が入る何年も前から、すでに企画は動いていたんです。そのころ長井(龍雪)監督とは別の仕事をしていたので、「『ガンダム』やることになったんだ」「えっ、すごい!」なんて話をしてましたね。「青春もの」が多かった長井監督は、前々から「鉄分が足りない! メカものやりたい」なんてよく漏らしてたので、そのときは「決まってよかったね」という感じでした。
――つまり最初は他人事として聞いていたと……。
岡田
まったくそのとおりです(笑)。その後、時間が経って企画が本決まりになってから長井監督に「悩んでいることがあるから相談に乗ってほしい」と誘われ、途中から参加させてもらいました。企画時点ですでに作品の世界観やアイデアの大本は固まっていたので、そこから監督の要望に応えつつ、具体的なシリーズ構成を立てていった感じです。
――その構成をするにあたっては、どのように進められましたか?
岡田
まずは長井監督のやりたいアイデアや物語を聞き、ダーッと書き出していくところから始まりました。実はこれって、今まで組んだ作品とは逆のパターンなんです。たとえば『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(11)のときは、「こんなキャラ出したい、こんな話にしたい」と私からいっぱい提案させてもらい、それを監督が整理したんです。『心が叫びたがってるんだ。』(15)のときも、基本的な方向性は話し合いで決めましたが、物語のとっかかりはとりあえず私が書いて。でも今回は長井監督のやりたいことがまず先にありきですから、そこが大きく違うし、とても新鮮な経験でしたね。
――実際に物語を組んでいったときには、どのようなことを感じられましたか?
岡田
一番最初に監督からお話を聞いたときは、「これがやりたい」ということであふれているな、と思ったんです。気持ちが前面に出過ぎていると言いますか……。たとえば1クール目は戦闘がほとんどなかったりするんです。1話まるまる使って「お買い物話」をしていたり。そこで「もっとこうした方がいいんじゃない?」と提案したり、私が主に付け加えさせてもらったのはドラマ部分ですね。いつもだと私が後先考えずにまず暴れて、長井監督に「オイオイ」と止められるパターンでしたが、今回は逆に先に裸踊りを始められた感じです(笑)。
――岡田さんが入ったことで、どんな変化がありましたか?
岡田
そうですね。作品の印象は当初から多少変化してると思いますが、ドラマの骨子となる部分は監督が本来やりたかったことを重視してますから、そこはブレていないと思います。
――武装集団がお姫様を地球までエスコートするという物語が軸ですよね。これも当初からあったことですか?
岡田
ええ。ちょうど私も「泥臭い男の子」や「輩(やから)っぽい男の子」を描きたいなと思っていた時期でしたから、ちょうど良かったです。「汗! 泥!」みたいな要素って、なかなか書かせてもらえるチャンスがないので(笑)。それと、ある種のヤクザ的な味つけなど、「これまでやれなかったことに挑戦しよう」という部分もありました。
――そのあたりは、岡田さんのほうから提案されたのですか?
岡田
阿頼耶識(あらやしき)システムやヤクザ風味については、監督と無駄話をしているときに出たアイデアから詰めていった部分です。なので設定や物語の細部は最初からガッチリ固めていたというよりも、むしろ話し合いのなかで自然に決まっていった部分が多いです。三日月とオルガの2人についても、関係性を軸にすること自体は決まっていましたが、キャラクターの細かい設定や性格については話し合いで肉づけしていったものです。
オルガと三日月――その独特の関係
――この作品の主軸になっている三日月とオルガについては、驚かされる部分がものすごく多かったです。
岡田
そうですね。共依存すらも超えた強い関係性とでも言うんでしょうか……。「三日月というモビルスーツ乗りの天才がいて、オルガという団長がいる」という部分は最初から決まっていたんですが、どんなキャラクターにするか、どんな関係なのかは書いてみないと分からない部分が大きかったです。特に三日月が分からなくて。「本当の意味での天才ってどんな人だろう?」と、よく監督と話し合いました。「戦闘狂」みたいにするとありがちなキャラに見えるので、そうしたバランスには気をつけましたね。
――三日月って、当初どこかつかみどころのないキャラクターにも見えました。
岡田
家族である鉄華団の仲間を守ることを最優先にしていて、大切なものを守るための嗅覚は並外れたものがあり、ストレートに行動する。でも、それ以外には疎いんです。人としては、何かが大きく欠落している。セリフ選びにしても、なるべく平坦な言葉を使うようにしながらも、ものすごく「闇が深い感じ」と言いますか……。その「欠落していること」が明確に分かるようにしたいなと。そこはものすごく意識しています。
――なるほど。驚きを感じる理由はそこですね。一方のオルガについては?
岡田
三日月という天才には尊敬されつつ、常にジャッジを委ねられる。そのプレッシャーを感じている。しかも、戦いの中で次第にクリアになっていく三日月に対して、少しでも弱いところを見せると、自分も食い殺されてしまうかもしれない……。そんな緊張感を常に抱えています。オルガのようなキャラクターが中心に立つ物語って、珍しいかもしれませんね。指揮官はモビルスーツに乗らないですから、「どうすればカッコよく見せられるんだ?」と話し合ったりしました。そんなオルガのジャッジも、ビスケットの死をきっかけにブレ始めます。少し危険な方向に行ってしまうわけですが、長井監督からは「ラストはそれなりに幸せな感じにしたい」と言われまして、「どうしたもんかな」と……。
――それは最終回(第25話「鉄華団」)のラストのことですか?
岡田
はい。「さて、どうつなげようか……」と。そこは苦心した部分ですね。
――鉄華団のキャラクターを描くとき、工夫されていることは?
岡田
語尾が「じゃねーよ」みたいなキャラクターが多いんですよ。基本みんな荒っぽいわけですけど、その中で個性をどう描き分けようかと。オリジナル作品の場合、「このキャラはこういう人です」と明確に示すために、あえて激しいセリフを使うことがあります。でも『鉄血』の場合は、ピーキーなセリフ回しで引っ張っていく物語ではないなと。むしろキャラ同士の関係性やシーンを、ていねいに積み重ねていくことで見せていきたい。そんなせめぎ合いがあるので、最初はキャラの書き分けで苦労しました。でも、もともと荒っぽい男の子たちを書きたかったわけですから、だんだん楽しくなってきて。
――そうしたノリは大事ですよね。
岡田
たとえばヤマギとシノの関係性などの要素は、私が入れたと誤解されがちですけど、実は監督からのアイデアなんです。私はどちらかと言えば、「男臭い要素」をボンボンと足していったので(笑)。私の好みに見えるのが長井監督のアイデアだったり、その逆もあったり。そこは面白かったですね。
――コンビに新たな地平が見えて、良かったです。ところで長井監督とのお付きあいは、どのぐらいになるのでしょうか?
岡田
とらドラ!』が2008年の放送で、準備はその前からですから、もう10年近くになるでしょうか。ただ、作品数は意外に少ないんですよ。田中(将賀)さん(キャラクターデザイン)とも「まだ3作品だけなんだ」と話したぐらいで。でも企画中から実制作まで、1ヶ月会わなかったことはないぐらい、いつもいっしょでした。いろんなお仕事の中でも、こんな風に長く付きあえる人たちがいるのは、とても幸せなことだなと。
――同じメンバーでも、作品ごとに違うテイストが出てくるのが面白いです。
岡田
新しいことにチャレンジしようとするときって、ついつい「新しいスタッフでやりたい」という発想になってしまいがちですけど、同じスタッフでも常に新しい発見はあるんです。そう考えると、同じジャンルでも違ったことにチャレンジできるはずだなと。先ほどキャラクターの関係値の話をしていましたが、アニメづくりも結局はスタッフ間の関係性によるものが大きいんだなと、それは実感します。
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