バンダイチャンネル

クリエイターズ・セレクション

UPDATE:2014.8.25

業界著名人がアニメ作品をオススメ!

  • ツイートする
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

懐かしい名作の思い出と共に、クリエイター自身が自作を振り返る新連載。第1回は近年『Angel Beats!』でブレイクし、精力的に新作を発表する気鋭の監督・岸誠二さんです。
常に新しいスタイルを提示し、作家ではなく演出家として黒子に徹する岸監督の姿勢は、観客を驚かせる稀代のエンターテイナーと言っても過言ではありません。
果たして、魅力的な作品を連発する岸監督の面白さのツボはどこにあるのか。
制作にまつわる多彩なエピソードから、その秘密に迫ってみたいと思います。
『パトレイバー』を繰り返し観て、監督になろうと思った
――今回は10月の新作『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-』で期待の高まる岸誠二監督にお話をうかがいます。自作はもちろんのこと、ぜひ監督にオススメの作品も選んでいただこうと。
私が好きな作品はバンダイ(ビジュアル)さんがらみが多いですね(笑)。中学生、高校生、あるいは社会人になったころはOVAなどで新しい時代をつくろうと大活躍されてた時期ですし。だから一番最初に出てくるタイトルは、『機動警察パトレイバー』のOVA版(アーリーデイズ)になります。押井守監督作品は『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』などで以前から知っていましたが、待望の作品でしたね。特に第5話(「二課の一番長い日 前編」)が大好きで、VHSテープが文字どおり擦りきれるぐらい繰り返し観ました(笑)。まだ14歳でしたね。
――まさに中二じゃないですか(笑)。
当時は「ガンダムなんて面白くないぜ、俺ってパトレイバーとかわかるし」なんてこましゃくれてた子供で、ただのバカでした(笑)。でも、いまだに一番好きなのは、『パトレイバー劇場版』の『1』なんです。後に『2』も好きになりますが、『1』は「エンタメの教科書」として本当にキレイで、いわゆる「張り手型から始まるタイプ」ですし、あの物語の「波」のつくり方はいまだに参考にしています。『2』は正直、当時は意味がわからなくて、うっかり「つまらない」と思ってしまったのですが、20代後半以降になってから「わかるわかる!」と、大好きな映画になりました。
――もうアニメをつくることが射程に入っていた時期ですか?
実は先ほどの14歳のころ、すでに「監督やろう」と(笑)。それからよくぞ現状にたどり着けたもんだなと思いますけれども。
演出の転換点となった『瀬戸の花嫁』と『サンレッド』
――ご自身の作品で、オススメの作品など教えてほしいです。
どれも大事な作品ですが、その後の基点となったという意味では、『瀬戸の花嫁』と『天体戦士サンレッド』がありますね。『サンレッド』の方は「こういう作品にしたいです」という自分の発想のみで他の意志がほぼ介入しない状態で、ストレートに企画が通ってしまったので、思い入れは深いです。
めざしたのは「コント番組」の再現です。原作がショートエピソードをたくさん積んでいく形式なので、それをコメディ、バラエティ、コント番組のどこか懐かしい形式でやろうと。シナリオ会議もアニメ的ではなく、「番組構成会議」でしたから。話数によってはコーナー企画からスタートしたりしますが、その発想がアニメーションから遠いんです。しかもふざけているわけではなく、やるからには何が何でも面白いもの見せてやろうと真剣にやった結果、お客さん側にも喜んでいただけたと思っています。
――良い形でお客さんを巻き込んでいく感覚がありました。
大ヒットしなくても、「あれは面白かったよね」っていつまでも言ってもらえる息の長い作品にしたいと思ってました。いまだに溝ノ口は大事な場所ですし、「ご当地もの」としてもパイオニア的な存在ですよね。ちなみに飲み屋の登場が多いのは私のせいですが(笑)、おかげさまで本当に地域の方とも仲良くさせていただきました。大々的に花火をバーンと打ち上げて一瞬放送してる間だけ盛り上がったというよりは、好きで観てくださった方や近所にお住まいの方々が自分の住んでいる地域の良さを再認識してくれて、住んでいない方には溝ノ口という街の魅力を新たに知って頂けて。そんな(商店街が)ひそかな活性化で長く根づいてますよね。
――どこかにいそうな人しか出てこないのも『サンレッド』の魅力です。
「どっかでみたことあるぞ、こいつ」って怪人たちですよね(笑)。それは、くぼた(まこと)先生が漫画の中でしっかりと描かれていたことですし、アニメ化の最初の打ち合わせでも、「あるある」的な描写を心がけているというお話をうかがっています。「私たちもそれをやろうと思っています」「じゃあ、お願いします」という感じで、方向性が一致していたので、非常にやりやすかったです。あの感じが出たのは、役者さんたちに自由にやってもらうプレスコ(声を先に録音する方式)だったことも、大きいですね。妙な間ができあがるわけですが、それを全部活かしましたから(笑)。
  |  |  |  | 次へ
岸 誠二 関連作品

AURA ~魔竜院光牙
最後の闘い~
(HDクオリティ)
▶視聴はこちら

ダンガンロンパ
The Animation
▶視聴はこちら

Angel Beats!
▶視聴はこちら

DEVIL SURVIVOR2
the ANIMATION
▶視聴はこちら

瀬戸の花嫁
▶視聴はこちら

人類は衰退しました
▶視聴はこちら

天体戦士サンレッド
▶視聴はこちら

神様ドォルズ
▶視聴はこちら

ペルソナ4
▶視聴はこちら

マジカノ
▶視聴はこちら

ギャラクシー
エンジェる~ん
▶視聴はこちら