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UPDATE:2015.6.25

業界著名人がアニメ作品をオススメ!

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星矢ファンには嬉しい要素満載
――さて『黄金魂 -soul of gold-』、後半戦になっていく今後のみどころも教えてください。
古田
第6話ではアイオロスが裏で何をしていたか、謎が明かされます。その後も熾烈なバトルが展開する中で、個性的な黄金聖闘士たちがいっそう輝いて見えるようになっていきます。黄金聖闘士は、誰ひとりとして残念なことにはならないので、それぞれの星座ファンのみなさん、安心して観てください(笑)。今回は、これまでの人気順を崩せないかと想った部分もあります。たとえば牡牛座のアルデバランには不遇なイメージもありますが、本来格好いいキャラクターですから、しっかりと侠気を見せたいと。第7話のアルデバランは、特に輝いて見えると思います。
――北欧編の続きならではの注目ポイントは?
古田
TVシリーズ「アスガルド編」に登場したオーディーンローブ的な重要アイテムも登場します。「いったい誰がまとうのか?」と、予想しつつ楽しんでいただけるといいですね。とにかく星矢ファンのためにおいしい要素を、可能なかぎり詰め込んでいます。結果的に現場は大変になる一方でしたが……それは「しょうがない!」と腹をくくって進めています。もちろん原作を大事にしつつ、ですね。そんな風にゴールへと至るプロセスを楽しんでいただけたらと。今後、ますます密度が濃くなっていきますから。
――復習をかねての、前半部の注目ポイントはいかがですか?
古田
やはり、黄金聖闘士が日常に降りてきたときの立ち居振る舞いですね。いつもはアテナのために行動を起こす彼らが、アテナ不在で自由な行動が可能となったとき、どうするのか。ミロは自分を信じて猪突猛進だし、カミュは友のために行動するし、デスマスクはこの世を謳歌したいと言い出す。アルデバランにはツッコミたくなるし、童虎は意外と陽気だし。でも案の定シャカはまったく動いてくれない(笑)。それぞれ黄金聖闘士の考え方、行動が際だって見えるのが前半部なので、そこを楽しんでいただけたらと思います。劇中でも語らせていますが、黄金聖闘士って集団行動できない人たちなんですよね。それが後半、「ひとつの目標に向かって団結していく」という展開になるので、そこにもご期待ください。
――従来は青銅聖闘士の視線でしたが、黄金聖闘士を主役として描く本作、手がけられてのご感想はいかがでしたか?
古田
難しかったです。星矢たち青銅聖闘士なら、若さで突っ走っていけばいいところが、黄金聖闘士たちはやや大人ですからね。なによりも最大の問題点は、黄金聖闘士がみんな強すぎること(笑)。黄金聖闘士に立ち向かえる神闘士サイドの工夫が大変で、シナリオ会議で紛糾したことも思い出します。
今後は未知のジャンルにチャレンジしたい
――本作での仕事と各話演出と比べてみていかがですか?
古田
各話演出と比べて各所からのオーダーや調整ごとが増えました。その意味では、各話演出は気楽で、好きにやれる部分があります。でも自由度は下がっても、シリーズディレクターならやりたいものの道筋を示すことができる。やりがいとしては、また違うものですね。また、各話の細かいところは各話演出さんに任せ、その能力が最大限発揮できるよう、いろいろ仕掛けるのが本作での僕の仕事だと思います。いわば「演出さんを演出する」みたいなノリを感じています。
――今後も監督業をされていきたいですか?
古田
ええ、とにかくたくさんの作品をつくっていきたいです。将来、子どもたちが成長して「昔よく観ていたアニメ、古田丈司の作品ばかりだ」みたいになれればといいなと。僕が子どものころ観ていたアニメは、井内秀治監督や佐藤順一監督の作品ばかりでしたから、いつかそうした存在になれればと夢見ています。ともかく、いつも今までやったことのないような作品にチャレンジしたいです。先日『うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVEレボリューションズ』のエンディングをやりまして、アイドルものにも興味あります。それとシリアス系作品、ハイエンド作品はぜひ挑戦したいです。
――話は前後しますが、学生時代から映像を撮られていたご経験は?
古田
放送系のサークルだったので、映像を撮ったり音声で作品をつくったりの経験はありました。ラジオ局でアルバイトをして中継のアシスタントをしたり、アニメ系のイベントを手伝ったり。でも、アニメ業界に入ろうとは全然思っていませんでした。学部も工学系で、アニメ好きでもマニアというほどではなかったです。ただ小さいころから絵を描くことは好きでしたし、放送サークルでものづくりの喜びを知り、それでサンライズに入ってというのが経緯でしたから、学生時代の経験は活きています。
――実際に業界に入ってみて、どう思われましたか?
古田
雲の上の人みたいなクリエイターが、アニメ業界にはたくさんいるんです。とにかく追いつかなくてはと、必死でした。ただ、演出を教えてくれた近藤信宏さんには「お前アニメじゃなきゃ活躍できなかったと思うぞ」と言われたので、どうやら適正はあったらしいです。
――コンテを描くのも楽しいですか?
古田
楽しいですね。自分は憑依型なんです。トランス状態になってひとりごとをぶつぶつ言いながらコンテ描く。傍からみたら、かなり怪しいヤツですけど。静かなスタジオで「うぉー!」と、僕の叫び声が響くみたいな(笑)。それも『聖闘士星矢』ならまだ大丈夫ですけど、『マンガ家さんとアシスタントさんと』だと「パンツ! パンツ!」ですから(笑)
――ひとつ『黄金魂』で聞きそびれていました。ベテランぞろいのキャスト陣について、お聞かせください。
古田
もう何も言うことありません。最初のアフレコでムウがしゃべった瞬間、「ムウだ!」と思わずニヤニヤしてしまいました。ベテランの方々だからこそ、子どものころ観ていたアニメのイメージが、何度もフラッシュバックしましたね。
――アフレコ現場の雰囲気はいかがでしたか?
古田
みなさん楽しそうに演じられていたのが、何よりよかったです。ただデスマスクは叫ぶ台詞が多く、田中亮一さんにはちょっと申し訳ない気持ちでした。
――キャストのみなさん自体が、声優界の黄金聖闘士みたいですよね。
古田
ヒロインを演じられている久川綾さん含め、ほんとにレジェンドな方ばかりなんですよ。
――では、最後に今後の意気込みをふくめてメッセージをお願いします。
古田
自分がまさか『聖闘士星矢』を担当できるなんて、想像もしていませんでした。最後まで小宇宙(コスモ)を燃やし続けて乗りきりたいと思っていますので、ぜひ楽しんでいただければと思います。


PROFILE
古田丈司(ふるた・じょうじ)
1981年生、岐阜県出身。サンライズに入社し、制作進行を務めた『ケロロ軍曹』第219話(08)で演出デビュー。『犬夜叉 完結編』(09)、『GIANT KILLING』(10)、『TIGER & BUNNY』(11)、『ダンボール戦機』(11)、『機動戦士ガンダムAGE』(11)、『超速変形ジャイロゼッター』(12)、『聖闘士星矢Ω』(12)などで演出を手がける。『ノブナガン』(2014)の副監督を経て、『マンガ家さんとアシスタントさんと』(14)で初監督を務めた。『聖闘士星矢 黄金魂 -soul of gold-』(15)では、シリーズディレクターを担当。


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